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宅建勉強まとめ

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権利関係

#1 契約の成立

 契約とは一言でいえば「約束」のことです。一度契約を結ぶと原則として、その契約で決めた内容を守る必要があります。契約の際は通常契約書を作成しますが、法律上契約が成立するためには契約書の作成は必要ありません。Aさん「売ります」Bさん「買います」といった風にお互いの意思が合致すれば口頭でも契約は成立するのです。

#2 詐欺による契約

 民法では詐欺による意思表示は取り消すことができるとしています。そして契約が取り消されると、その契約はなかったことと扱われます。したがって、詐欺により売買契約を結んでしまった人は、契約を取消して、売買したものを返せと相手側に主張することができます。

#3 善意と悪意

 民法ではある事情を知らないことを「善意」といい、逆に知っていることを「悪意」といいます。一見、「善い方」と「悪い方」といった風に捉えがちですが、民法ではあくまでも「知らないこと」と「知っていること」という意味になります。「民法」という土台に上がる上で非常に重要な考え方になっていきます。

#4 善意の第三者

詐欺による契約の取消しは、第三者に対しても有効なのでしょうか?
例を挙げると、「Aさん」は「Bさん」に騙されてBさんに土地を売却してしまいました。その後Bさんはその土地を「Cさん」に売却しました。その後AさんはCさんに対して土地を返せと言えるのでしょうか?
 この場合Cさんが詐欺の事実を「知っていいたかどうか」で結論が異なります。Cさんが詐欺の事実を知らなかった(善意)場合AさんはCさんに土地を返せと言えません(対抗できない)逆にCさんが詐欺の事実を知っていて(悪意)Bさんから土地を購入した場合、AさんはCさんに土地を返せと主張できます。
 では何故そうなるのでしょうか?Cさんが善意の場合、詐欺の事実を知らずに土地を手に入れたCさんを保護する必要性が高く、また、Aさんに騙されたことに対する一定の落ち度があると言えるからです。
 つまり詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗することができません。

#5 強迫による契約

強迫による売買契約は、取り消すことができます。
 強迫による意思表示の取消しは詐欺の場合と違い、善意の第三者にも、悪意の第三者にも対抗することができます。なぜなら、脅されて契約を結んだ人の方が保護する必要性が非常に高いからです。
 ちなみに、強迫により意思の自由を完全に喪失していた場合には契約の意思がないので「無効」(そもそも契約自体が最初からなかったことになる。)となります。例えば、銃口を突き付けられた状態でペンを持たされ、契約書に無理やりサインをさせられた場合などです。

#6 虚偽表示

差押えを免れるために、友人と口裏を合わせ土地を友人に売却したように見せかける架空の契約を結んだ場合の様に、相手方と通じて虚偽の意思表示をすることを虚偽表示と言います。
 この場合、両当事者共に契約の意思はないため、虚偽表示による契約はそもそも無効となります。
 虚偽表示による契約の無効は善意の第三者に対抗することができません。そしてその第三者は、知らないことに落ち度があったり、登記を備えていなくても「善意でありさえすれば」保護されます。

#7 転得者との関係

転得者とは、第三者からさらに目的物を買い受けた者をいいます。虚偽表示による意思表示は善意の第三者には対抗できませんが、転得者が悪意だった場合もその者に対して対抗できないのでしょうか?
 一見転得者が悪意の場合保護する必要はないように思いますが、善意の第三者には対抗できないが悪意の第三者には対抗できるとすると、法律関係がややこしくなてしまいます。
 そこで判例では、一度善意の第三者が現れた場合はその者が完全に権利を取得するのであるから、その後の取得者も完全な権利を取得できることとしています。つまり、一度善意の第三者が現れた場合はには、転得者の善意・悪意を問わず、虚偽表示の無効を対抗することができないのです。

#8 錯誤-要素の錯誤

「錯誤」とは簡単に言えば「勘違い」の事です。勘違いが無ければ契約を結ばなかったと思われるような重要な部分について勘違いすることを「要素の錯誤」とし、要素の錯誤による意思表示は、無効となります。しかし、表意者に重大な過失があった時は、表意者は自らその無効を主張することができないとしています。

#9 錯誤-動機の錯誤

意思表示そのものではなく意思を表示する動機に勘違いがあることを「動機の錯誤」といいます。例えばAさんが「この建物の近くに駅ができる」と勘違いしてBさん所有の建物を購入するような場合が動機の錯誤です。この場合実際には駅ができなかったとしても「Bさんの建物を購入する」という意思表示そのものに勘違いはありませんので、原則として無効を主張することはできません。
 しかしAさんが「近くに駅ができるから買いたい」ということをBさんに伝えている場合まで一切無効を主張できないというのでは、Aさんがかわいそうです。
 そこで判例では動機の錯誤であっても、その動機が表示された場合は、錯誤による無効を主張しうるとしています。※動機を明示できに表示した場合だけでなく、黙示的に表示した場合でも法律行為の要素となり、錯誤による無効を主張しうる。

#10 心裡留保

 真意(本心)でないことを自分自身で知りながら意思表示をすることを「心裡留保」と言います。この心裡留保による意思表示は原則として有効です。本意でないにもかかわらずあえて意思表示をしているのだから、自業自得と言えるのです。
 しかし、常に有効なわけではありません。冗談を真に受ける方も軽率です。したがって、相手方が表意者の真意を知り、知ることができたとき(悪意または善意有過失の時)は、その契約は無効となります。

#11 公序良俗に反する契約

 賭けのカタにした土地は取り戻せるのか?
 例:AとBは賭けマージャンをして、Aは大負けしてしまいました。そこでAはBとの間で「賭けマージャンの返済に充てるために、Aの土地をBに引き渡す」という内容の契約を結びました。Aはこの契約を守らなければならないのでしょうか?
 このような反社会性を帯びた契約を「公序良俗(公の秩序または善良の風俗)に反する契約」といいます。民法は公序良俗に反する内容の契約は無効としています。
 そして、公序良俗に反する契約を守るわけにはいきません。そこで、公序良俗違反による契約の無効は、善意の第三者にも対抗することができるのです。

#12 制限行為能力者

 民法は、未成年者など通常の大人に比べて判断能力が不十分だと思われる者に対しては制限行為能力者という制度を設けて、一定の者を保護者として制限行為能力者の保護・監督にあたらせると同時に、制限行為能力者が1人でした行為は取り消すことができるものとしています。
 なお、制限行為能力を理由とする取消しは第三者の善意・悪意を問わず、全ての第三者に対抗することができます。

#13 時効制度

 時効とは、時間の経過によって法律関係の効力が変化し、これまで存在していた権利が消滅したり、これまで持っていなかった権利を取得したりすることをいいます。
 そして、従来は持っていなかった権利を時間の経過によって取得することを「取得時効」といい、従来は存在していた権利が時間の経過によって消滅する事を「消滅時効」といいます。
 このように時効には「取得時効」と「消滅時効」の2種類のものがあります。

取得時効

 所有権の取得時効の要件は「所有の意思」を持って、「平穏」かつ「公然」に、目的物の「占有を継続する事」です。短期の場合は10年、長期の場合は20年で所有権を取得できます。
 短期の取得時効にだけ特に必要とするのは、善意かつ無過失で占有を開始する事です。

消滅時効

 時効制度は「権利の上に眠る者は保護しない」という考え方に基づいています。つまり、消滅時効は「権利を行使することができる時」から進行し始めることになります。
 一般の債権は10年間行使しないと消滅時効にかかります。その他所有権以外の財産権(地上権、地役権等)も消滅時効にかかり、その期間は20年です。
 ここで注意すべきなのは、所有権は消滅時効にかからないという点です。自分で買ったものを全く使用せずに放置していたとしても、それだけで所有権を失うことはないのです。

#14 代理制度

 本人に代わって代理人が交渉して、本人のために相手方と契約を結ぶことを「代理」といいます。代理には以下の3つの条件をクリアする必要があります。
①代理人に代理権があること
②代理人が相手方に「自分は本人の代理人である」ということを示すこと(顕名)※代理人が顕名をしないで契約をした場合、原則として代理人自身の為に契約をしたものとみなされる。ただし、相手方が代理人が本人のためにすることを知り、または知ることができた場合本人に対して直接にその効力を生ずる。
③代理行為が行われること。

代理人の行為能力

 ①代理人は行為能力者であることを要しない。(制限行為能力者であっても代理人になることができる。)
 ②本人は、代理人が制限行為能力者であることを理由に、契約を取り消すことはできない。

#15 債務不履行

 売買契約が結ばれると、売主は「建物を引き渡す義務」買主は「代金を支払う義務」といった義務を負うことになります。これらの義務をきちんと果たしてくれればよいのですが、場合によってはそれらの義務が果たされないことがあります。
 正当な理由もないのに約束を守らないことを債務不履行といいます。この様な債務不履行があった場合、相手方に対して一定のペナルティーを与えることができます。
 1つは損害賠償請求です。約束を破られて損害を受けたのだから、お金を払ってくれと請求することができます。
 もう1つは契約の解除です。契約を結んだものの、相手方が約束を果たさないのだから、契約をなかったことにすることができるのです。

債権・債務とは

 先ほど説明したように売買契約では、お互いが相手方に対して義務(債務)を負うことになります。その義務を負った者のことを「債務者」といいます。
 また同時にお互いが相手方に対して一定の行為を請求できる権利(債権)をもつことになります。この権利をもつものを「債権者」といいます。

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